vol.070 駄菓子屋あゆさい

 
 
澄み渡る青空の下、梶野町の住宅街に黄緑の旗がゆらめいている。青と緑のコントラストがとても綺麗だ。奥には同じ色合いの暖簾も見える。
ここは、子どもたちがワクワクする場所、そう駄菓子屋なのだ。 
 
「こんにちは、中へどうぞ。」 
 
優しい声に導かれて暖簾をくぐると、「わぁ!!」棚に並んだ沢山の駄菓子やおもちゃに、大人も子どももつい歓声がこぼれてしまう。
早速物色を始める子どもたちの横でぐるりと全体を見渡すと、そこは駄菓子屋のイメージを覆すなんともお洒落な空間だった。壁や棚は白が基調で、さりげなく置いてあるグリーンが映える。奥には腰を下ろすことのできるテーブルと椅子があり、綺麗なトイレも完備だ!
暖簾の外にはベンチや椅子、テーブルも置かれていて、お庭で買った駄菓子を食べることもできるらしい。
子どもたちにとっては至れり尽くせりの居心地の良い空間になりそうだ。私も入り浸りたい・・笑
今回は、そんな駄菓子屋あゆさいの店主、鈴木さんにお話を伺った。 
 

◎活動を始めたきっかけは?  
 
夫が、自宅を改築して小さな駄菓子屋を2017年に開きました。
元々、夫は癌の闘病をしながら会社員として勤めていたのですが、続けるのが難しくなり退職。
治療の合間の体調の良い時に何かできたらと駄菓子屋を始めたのです。
子育てする中で、子どもたちが安心して過ごせる場所が地域にもっとあったらいいなと感じていました。
体調を見つつ休んだり開いたりしながら続け、コロナ禍で2020年に長期の休みに入りました。コロナが落ち着いたら再開する予定でしたが、2022年に夫が亡くなりました。
その後、駄菓子屋を私が引き継いで2024年4月に再開させました。  
 

 
◎現在はどんな活動をしていますか?  
 
自宅を改築した小さなスペースに駄菓子、駄玩具を置いて販売しています。子どもたちが座っていられる机と椅子、遊べる玩具等も少しですが置いています。  
 

 
◎これからやってみたい事はありますか?   
 
子どもたちが駄菓子を買うだけでなく、気ままに過ごせるような居場所にしたいとスペースを広くする予定です。
色んな駄菓子を置いています。気楽にのぞきに来てね! 
 
(自転車の駐輪可能。その横でコマ回しもできる!) 
 
◎取材を終えて   
 
取材に行った水曜日は、幼児連れの親子や小学生、そして中学生までもが次々と来店し、店内は賑やかだった。
みんな真剣に悩みながら選んで自分で計算して、鈴木さんのもとへ商品を持ってくる。
すると、鈴木さんが「いくらだったかな~?」と優しく声をかけ一緒に計算してくれる。
「お、ぴったりだね~」なんて褒めてもらって嬉しそうだ。 
一言二言、言葉を交わしながら、お金を手から手へやりとり。
最近スーパーでは、お釣りは勝手に機械が吐き出してくれるけど、やっぱり手から受け取る方が安心するのは私だけだろうか。 
 
鈴木さんは言う。
「何を買うかは子どもの自由。子どもたちが小さな選択をたくさんできる場所になっているといいなぁと思っています。」 
 
我が子たちも、「何を選んでもいい」と言われる数少ない機会をフル活用して隅から隅まで物色中だが、その横顔はやたらキラキラしている。
最近、「これ欲しい!」と言われても、「余計は物は買いません」が私の口癖になってたもんな・・。
高い物はたくさん買えないけど、駄菓子屋さんなら小さいお金でもたくさん買える。ここならば親も安心して選択させてあげられる。改めてありがたい場所だなぁと思う。  
 

 
「あゆさい」という名前は、今は亡き鈴木さんの旦那様が、家族の名前の頭文字を取って名付けたのだそうだ。
家族への愛がたっぷり詰まった駄菓子屋さん。引き継いだ鈴木さんも子どもたちにたくさん愛と優しさをもって接してくれる。そんな温かい人柄にきっと子どもたちもホッとするに違いない。 
鈴木さんは「子どもたち、みんないい子なんですよ!」と語ってくれたが、きっとここに来たらみんないい子になってしまうのだろうなと思った。
温かくて居心地の良い、秘密基地のような居場所。
 
ふと気づくと息子がかごに爆買い中。300円の予算のはずが、自分のお小遣いを足して500円まで買いたいと言う。うーん・・・ま、たまにはいいかと折れる母。「ママ、ありがとー!」
にっこにこの息子は帰り道、「今日、幸せだったね~」と。
なんだか大げさだけど、ほんとだね。なんだか私も幸せでした。 
 
(2023年6月 E.M 10歳女児・6歳男児) 
 
◆基本データ◆ 
団体名  駄菓子屋あゆさい
開催日時 月・火・水・金・第2、4土 14:30-18:00 
(2024.6月現在 今後変更の可能性あり スケジュールはInstagramに掲載)
開催場所 小金井市梶野町4-20-2
問合せ先  dagasi.ayusai@gmail.com
Instagram https://www.instagram.com/ayusai_dagasi
 
(店主の鈴木さん。優しいお人柄が笑顔に溢れている)
(入口にけん玉やコマがあり、お庭で遊ぶことができる)

応援団の紹介

vol.070 駄菓子屋あゆさい
vol.069 ひつじ食堂
vol.068 NPO法人 元気プログラム作成委員会
vol.067 小金井市手をつなぐ親の会
vol.066 森のようちえん クスクス
vol.065 ルチア
vol.064 Cafe5884
vol.063 ドゥーラ多摩あたり
vol.062 English Flower Garden
vol.061 多胎児サークル さくらんぼクラブ
vol.060 回帰船保育所
vol.059 小金井おもちゃ図書館「こがねいっ子のおもちゃ箱」
vol.058 小金井ひきこもり家族会cocone
vol.057 特定非営利活動法人 ケアサポート湧
vol.056 NPO法人ACT小金井たすけあいワーカーズ ほっとわぁく
vol.055 いろは書道会
vol.054 小金井市少年少女合唱団
vol.053 株式会社meray(mikke!トレーニングスクール)
vol.052 保育サポーターグループ「アンファン」
vol.051 特定非営利活動法人 ひ・ろ・こらぼ
vol.050 小金井国際支援協会(KISSA)
vol.049 宮地楽器小金井音楽教室
vol.048 特定非営利活動法人こがねい子ども遊パーク
vol.046 特定非営利活動法人 遊び文化NPO小金井こらぼ
vol.044 小金井第三小学校おやじの会
vol.042 小金井地域の学び推進機構
vol.041 よりみち~こころとことばの教室~
vol.040 アンガーマネジメント
vol.039 こども文庫 upon NASH
vol.038 浴恩館日和
vol.037 カラダノチエ
vol.036 あのね教室
vol.035 朋愛幼稚園
vol.034 かがくくらぶコスモ
vol.033 いかそう!子どもの権利条例の会
vol.032 特定非営利活動法人 地域の寄り合い所 また明日
vol.030 ファミリーサロン
vol.029 矢島助産院
vol.028 特定非営利活動法人小金井かいわい
vol.027 スタジオアートピース
vol.026 アトム薬局
vol.025 子ども家庭センター「ゆりかご」
vol.024 さんかく会
vol.023 (特別加入団体)小金井市子ども家庭部子育て支援課
vol.022 KOKOぷらねっと
vol.021 ラックス アンリミテッド カイロプラクティックセンター
vol.019 P-WAVE(産前・産後のバランスボールエクササイズ&コンディショニングクラス)
vol.018 特定非営利活動法人 東京学芸大こども未来研究所
vol.017 こちゃっこい
vol.016 みんなの家
vol.015 よってこ
vol.014 幸せコミュニケーション
vol.013 自主保育ゆうゆう
vol.012 ママと一緒に英語であそぼう!☆PIKARIN☆
vol.011 発達にアンバランスのある子どもの親の会 ひまわりママ
vol.009 結~MUSUBU~
vol.008 小金井市スカウト協議会
vol.007 ちびっこプレーパーク つくし
vol.006 NPO法人 アートフル・アクション
vol.004 ピアサポート周(あまね)
vol.003 小金井学習センター
vol.002 アンサンブルマタン
vol.001 のびのび子育て

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