
大切な人や身近な人を亡くし、悲しみを抱えている子どもたち、若者、そして保護者や大人たちが、同じような経験をしている仲間と遊んだり、安心して語り合える場所があります。
そんな場所を運営しているのが The Egg Tree House(エッグツリーハウス)です。今回は、理事の佐藤さんと監事の西尾さんにお話を伺いました。
◎活動を始めたきっかけはなんですか?
前代表の西尾温文氏は、娘さんを5歳のときに小児がんで亡くされました。また、西尾氏は病院で心理士として働く中で、親を亡くした子どもたちと触れ合う経験を重ねてきました。そうした体験から、子どもであっても死別体験に伴う深い喪失感や悲しみがあり、子どもたちにも自分の悲しみを安心して癒せる場所が必要であるという強い信念を持つようになりました。
そして、子どもたちに安心・安全に過ごせる場所・時間を提供したいという思いを胸に情熱を注いで、2014年に「エッグツリーハウス」を設立しました。
「The Egg Tree House」のHPはこちら
「エッグツリーハウス」は、アメリカの「ダギーセンター」をモデルにしています。
「ダギーセンター」は、1982年に全米で最初に設立された、親しい人を喪った子どもたちや家族のための施設です。
↑活動場所は小金井公園近くのお寺「十住堂」と「たまごの家」
◎現在はどんな活動を行っていますか?
親やきょうだいなど、大切な人を亡くした子どもとその保護者を対象として、月に2回、グリーフケアプログラム「たまごの時間」を開催しています。
約2時間のプログラムの中で、子どもたちはアート遊びや外遊び、お話などをして過ごし、保護者はそれぞれの気持ちを語り合います。春はみんなで陶芸、夏はキャンプ、秋はバーベキューなど、季節ごとのイベントも行っています。

そのほか、身近な人を自死で亡くされた方が気持ちを分かち合う「そっとたまご」、死因を問わず死別体験のある方々が気持ちを分かち合う「たまごカフェ」を、それぞれ月1回開催しています。

◎これからやってみたい事、伝えたい事はありますか?
子どもの活動の大きな特徴は、アーティストによるアートを取り入れていることです。悲嘆感情を言語化するのが難しい子どもたちも、アートを通して気持ちを表現する事ができます。
今年は講師の方を招き、みんなでパン教室を行いました。
今あるイベントに加えて、年に1度、新しいことに挑戦することで、新たな発見やワクワクが生まれているように思います。
大人向けの「たまごの時間」では、わかちあいの時間を大切にしながら、保護者の方ご自身がリラックスできる時間を増やしていけたらと思います。
アロマのハンドマッサージや、現在行っているバレエストレッチに加え、身体から心をほぐすアプローチや、アートの時間などを大人の中でも広げて行けたらいいなと思っています。

スタッフは皆、時間をかけて研修を受けており、守秘義務を大切にしています。
大切なご家族をなくされ、悲しみを抱えながら孤独な子育てに行き詰まりを感じている方、子どもの生活に変化やほっとできる居場所をつくりたいと考えている方は、ぜひ一度、お子さんと一緒に「エッグツリーハウス」にいらしてください。お待ちしております。
◎取材を終えて
私自身も7歳の時に父を亡くした経験があり、当時は人前、特に深く傷ついている母の前では、自分の感情を出すことができませんでした。死の衝撃だけでなく、環境の変化に伴うストレスも大きなものでした。
もし当時、身近にこのような場所があったなら、心を癒し、家族の死を境に一変してしまった日々の暮らしに、少しでも彩りを添えることができたのではないかと思います。
今はまだ、ここに足を運ぶ気持ちになれないという方もいるかもしれません。でも心の片隅に、こんな場所があると知っておくだけでも、ほんの少し心の支えになるのではないかと思います。
(2026年1月 Hママ 3児の母)
◆基本データ◆
団体名 一般社団法人The Egg Tree House
開催日 たまごの時間(第2土曜日・第4日曜日14時~16時)
開催場所 第2土曜日:たまごの家(小金井市関野町1丁目6番16号)
第4日曜日真蔵院十住堂(小金井市関野町2丁目1番17号)
問合せ先 info@eggtreehouse.org
ホームページ https://eggtreehouse.org/
FB https://www.facebook.com/theeggtreehouse/