みなさんは「産後ドゥーラ」という職業をご存知ですか?
出産前後のご家族のお宅に伺い赤ちゃんの沐浴やお世話をしたり、お料理やお洗濯、上の子ちゃんのお相手など、ママパパやご家族(ここ大事!)が赤ちゃんとの生活に無理なく慣れるためのお手伝いをしてくださるお仕事だそうです。
こんなにも融通がきくサポーターがいたなんて!この取材で初めてその存在を知ったのですが、もっと早く知っていたかった・・。
今回は産後ドゥーラとして活動している『ドゥーラ多摩あたり』の高山さんにお話を伺いました。
◎活動を始めたきっかけは?
産後ドゥーラは、ご出産前後のママパパやご家族に寄り添い、赤ちゃんとの生活に慣れるお手伝いをしています。
核家族化がすすみ、パパやママがお仕事も忙しく赤ちゃんのお世話に疲れ切ってしまう、というケースが増えています。特にコロナ禍では、里帰り出産ができず、親族も頼れず、「赤ちゃんとどう接したらいいかわからない・・」と追い詰められてしまう方がたくさんいらっしゃいました。
「子育て」が「孤育て」になってしまわないよう、地域で子育てするママパパを繋ぎ、『心も身体もひと息できる場所』を提供していきたい――。との思いから、主に多摩地域で活動しているドゥーラたちで「ドゥーラ多摩あたり」を発足しました。
◎現在はどんな活動をしていますか?
「ドゥーラ多摩あたり」では、4月に初めての子育てサロン『ママ&ベビーのおしゃべりCafé』を宮地楽器ホールの和室で開催しました。
赤ちゃんとの生活に奮闘し、気の抜けない日々を過ごしているママたちが、リラックスしておしゃべりできるサロンを!との思いから企画しました。当日は、同じぐらいの月齢の赤ちゃんとママたちが交流し、いっしょに手遊びをしたり、子育てのお悩みやアドバイスを共有したりと和やかな雰囲気でした。今後も不定期で開催を予定しています。
◎これからやってみたいことはありますか?
たくさんの方に「産後ドゥーラ」の存在を知っていただき、少しでも多くのご家族に寄り添えたらと思っています。
また、地域のママパパを繋ぐ子育てサロンが大変ご好評いただいたので、今後も「離乳食のお悩み相談」や「イヤイヤ期への対応」「産後ママの自宅でできる簡単ストレッチ」など、テーマや切り口を変えて、継続して開催していけたらと思います。
お料理が得意なドゥーラが多いので、産後の女性にぴったりなドゥーラご飯のランチ、離乳食レシピなどもご紹介していきたいと考えています。
◎伝えたいメッセージをどうぞ!
子育て中のママやパパ、みなさんきっと毎日、頑張りすぎるほど頑張っています。たまには少し肩の力を抜いて、気持ちもお身体もリラックスしていただきたい。しんどいこと、心配なことをご家族だけで抱え込まずに、色々なサービスや外の手を活用してみてください。
ママやパパ、ご家族の笑顔が赤ちゃんの笑顔に繋がります!
◎取材を終えて
「ドゥーラ」の語源はギリシャ語で、「他の女性を支援する経験豊かな女性」を意味するそうです。とはいえ、他の女性=「お母さん」だけを支援するだけではどうしても足りないので、あくまでご家族全体に寄り添い、ご家族として自信につながるお手伝いを心掛けているとのこと。
そうなると、あれは出来ないこれは出来るという境があるとなかなかサポートができません。「家事だけ」「赤ちゃんのお世話だけ」と限定せずに、そのご家族にとって必要なサポートを柔軟に提供し、最終的に「ドゥーラはもう必要ないよ」と言っていただくのがゴールなんです、とおっしゃっていたのが印象的でした。
出産育児で大変な経験をしたけれど、振り返った時に「みんなで育てていいんだよ、もっと力を抜いていいんだよ」ということに気づき、それを伝えたいというところからドゥーラになられた方が多いとのこと。
その一方で、人それぞれ辛さや感じ方は異なるので、アドバイスするのではなく気持ちに寄り添い、一緒に考えていく存在でありたいです、というお話しも心に残りました。
子育ては本当に精神的にも肉体的にも重労働。疲れたと感じたら、もしくは感じる前に、ドゥーラに寄り添ってもらうという選択肢があってもよいかもしれません。
(2023年6月 Kママ 10歳女児)
基本データ
団体名:ドゥーラ多摩あたり
開催日:子育てサロンの開催を予定(年4回程度、不定期)
開催場所:未定、小金井のみならず、多摩地域でも活動していく予定
問合せ先:doula.tama2023@gamil.com
ホームページ:(社)ドゥーラ協会HP https://www.doulajapan.com/