vol.048 特定非営利活動法人こがねい子ども遊パーク

小金井市の子どもたちは、みんなこの団体にお世話になっているのではないか?
そう思ってしまうくらい、子どもたちの身近に寄り添い、子どもたちのことを1番に考えてくれる団体があります。
「遊」の文字がとても印象的な、「特定非営利活動法人 こがねい子ども遊パーク」さんです。
何を隠そう、取材した私自身も親子で1番お世話になり、私の育児観を大きく変えてくれるきっかけとなった団体です。
今回は、代表理事の邦永さんにお話を伺いました。 
 
◎活動を始めたきっかけは? 
 
「子どもの時間は子どものままに」 
 
2002年9月、貫井南公民館の女性学級、「子育ては未来育て」という10回講座に参加して出会ったメンバーと「ドリームファームプロジェクト」と称し、夢の種まきを始めました。 
その夢の種の1つが「小金井にプレーパークを作る」でした。
毎週集まっては⼦育てのあれこれを話し合い、どのような子ども時代を送ってもらいたいかを考えました。
振り返って、私は子どもと一緒にいたのだろうか、子どもに笑いかけていただろうか。。。 
時間に追われ子どもの手を邪魔にし、1日を早く終わらせることだけに一生懸命になってはいなかっただろうか。 
その反省から、子どもの時間は子どものままに、子どもを小さな大人にしないことを訴え、プレーパークを始めることになりました。市内の公園や緑地を訪ね、その特徴やできそうな遊びを図解にしと模索した1年でした。
翌年の⼥性学級を、冒険遊び場づくりの講座にしてみないかと誘われ、全10回のプレーパークの学習会を企画しました。そして、そこで出会った仲間たちと初めての冒険遊び場を浴恩館公園で⾏いました。600⼈以上の参加者とたき⽕で煙る浴恩館の姿、その興奮を今も思い出すことがあります。これが小金井にプレーパークを作る会としての活動開始の瞬間でした。 
 
それからもう1つ、当時のノートに書き留めたこと。
「この活動を⾃分の⼦どものためのものであると考えるなら、⼦どもが⼤きくなったら終わりにすればよい。しかし、この活動を多くの⼦どものためのものと考えるなら、私たちは⾏政と⼀緒に活動できるようにしなければならない。私はどちらをしたいのか。」
始まりから私は、全ての子どもたちのために「常設のプレーパーク」を作りたかったのです。 
 
 
◎現在はどんな活動をしていますか?  
 
「分別のある子どもではなく、好奇心と意欲の塊である子どもを取り戻したい。」 
 
そんな想いから、子どもの暮らしの中に遊びを取り戻す活動をしています。
2015年6⽉常設のプレーパークが⼩⾦井市で始まりました。夢の実現から夢の継続へ、新たな始まりを皆様にお知らせしてから7年。プレーパークでは子ども自身がやってみたいと思ったことを大人が支えます。 
「子どもの見ているものを見る」じっと見ている。何度もしている、そんな子どもたちの姿を見て、「おもしろいね。私もやってみる。へえ・・すごい!」なんだか子どもと近くなって仲間に入れてもらえた感じがします。 そして、これこそが子どもの自己肯定感につながっていると思うのです。 
また、「痛いね、つらいね、悲しいね・・。」そんな時にどうする?その状況を変える力を子ども自身は持っているじゃないか、そこを支えるために、 
「困っていることはないの?一緒にしようか?手伝おうか?どうしたらいいと思う?」と声をかけて寄り添い、時に子どもに任せ、時に子どもを手伝う中で、子どもの素晴らしい力に出会ってきました。
親子ひろばりんご、野外保育りんごっこ、りんごっこ倶楽部、と乳幼児のお子さんに対しての野外体験の場所の提供は、子どもの自主性や社会性をはぐくみ、保護者の心の開放、仲間づくりを促します。子どものやってみたいに寄り添った場づくりと、保護者間の交流を促す人を配置することで、親と子に無理のない居場所になっていると思っています。乳幼児からの外遊びを是非お勧めしています。
事業内容の詳細は以下の通りです。 
 
●冒険遊び場事業
委託事業「小金井市冒険遊び場」
・いけとおがわプレーパーク(東京学芸大学構内・火曜~木曜・土曜 10:00-17:00)
・くじら山プレーパーク(都立武蔵野公園内・金曜 10:00-17:00) 
自主事業「夏の連続プレーパーク」(わんぱく夏まつり共催 ※コロナ禍では単独開催)、「出張プレーパーク」(梶野公園、キッズカーニバルなど) 
 
●乳幼児の子どもと親の居場所づくり事業
「森の親子ひろば りんご」(都立武蔵野公園内・毎週月曜 10:00-12:00) 
季節ごとの自然を楽しみながら、親子の交流の場を作る活動をしています。 
 
●学童・乳幼児の預かり事業
「野外保育りんごっこ」(幼稚園・保育園)月曜~金曜 
雨の日も風の日も外に出かけ、遊びを通して得られる感性や経験、豊かな自然の中で心と体の土台をつくる体験をしています。 
 
●子どもの居場所事業
「子どものまち ミニこがねい」
子どもたちが話し合い、1つのまちを作る、自治と意見表明を保障する場を毎年開催しています。 
「プレーパークが作る 僕らのKAKUREGA」 月1回・水曜日
子ども食堂・居場所づくりを行い、中高生がメニューを決めて食事を作り、集っています。 
 
●自然文化体験学習事業
「畑の時間」月2回・土曜日または日曜日
「その他」光る泥団子づくり・藁ないなどを企画・運営し、手仕事や農の文化を伝えたいと願っています。 
 
●遊び・子育て啓発事業
市民活動への参加、講師派遣や講座等を実施しています。 
 
(左上から時計回りに、「いけとおがわプレーパーク」、「畑の時間」、「森の親子ひろば りんご」、「野外保育りんごっこ」) 
(左上から時計回りに、「子どものまち ミニこがねい」、「僕らのKAKUREGA」、「出張プレーパーク」「くじら山プレーパーク」)
 
 
◎これからやってみたいことや、伝えたいメッセージはありますか?   
 
「思うことは実現する・・・。いくつになっても遊びは楽しい。」 
 
サードプレイスって聞いたことありますか?家庭・学校以外の子どもの居場所のことです。
子ども達に三間がないと言われたのはもう30年も前のことです。三間とは、時間、空間、仲間のことです。今はもっと苦しいことになって、放課後は当たり前にお稽古や塾の時間に取って代わられてしまっています。塾やお稽古の場所がサードプレイスという子どももいるでしょうが、消費者として出会う場では本当の意味のサードプレイスにはなれません。
子どもが自分の気持ちで、行きたい時に話したい時に寄ることができるような場所をつくりたい。
野外保育の拠点であるりんごっこハウスを一軒家に移すのをきっかけに、来年度から新しい事業を始めることにしました。

遊び場よりもっと家に近いような暮らしの場ができないか。
不特定多数の子どもの居場所ではなく、この子たちに届けたい。
プレーパークを始めた頃、子どものやりたいに寄り添うと、どうしても外の環境がベストだということを考えていました。うるさく汚く危ない遊び、特に今の子どもたちに必要な自然体験は、外でしかできないものだからです。今もその気持ちに変わりはありませんが、施設の中でいかに子どものしたいことに寄り添うか、体験的な事業を組み立てるかは、法人の子どものまち事業や自然文化体験事業の中で経験を積んできましたし、子ども参画による子どものエンパワーが施設の中でも自分の責任で自由に遊べることを実感させてくれています。
以前、どんな場所を小金井に作りたいのかと人に聞かれ、「いんげんの筋取りを子どもと一緒に出来るような場所を作りたい」といって笑われたことがあります。
お稽古だ塾だと外注する前に、大人と子どもがいっしょにいられるそんな場所、縁側に出て手仕事をしていると庭の前やそこらで子どもが遊びつつお手伝いしたがるような場所。安心して自分のことを話したり聞いてもらえるゆるゆるとした時間が過ごせるような場所が、「いんげん・・・」にこめられていますが分かりますか? 
放課後の時間はそういう場所がいいと本気で(まじで)思っています。
プレーパーク、森の親子ひろばりんご、野外保育りんごっこも子ども達のささやかな暮らしの場所になれたらいいと思っています。 
 
地域の中でおばちゃん、おじちゃんと呼べる人が少なくなっています。そういうつながりの再構築が子どもの育ちに必要だと思います。
新しいりんごっこハウスが、つながりと体験の場所になっていけるよう是非みなさん応援してください。 
 
 
◎その他  
 
「遊び場づくりはまちづくり」 
 
子育て支援が進まないのは、当事者の課題が子どもの年齢によって変わっていってしまうこと。子育て中の母親たちの個人の思いが社会の課題に代わっていったとき、まち全体が課題の解決に向かって取り組み、より良くなっていく。子育ての中で忘れたくない思いを持ち続けること、継続して当事者が支援者となっていくことで仲間を増やしてきました。
  
遊びは、「自分が何をしたいか」から始まる極めて主体的な行動なうえに、試行錯誤の連続です。昨日と今日は同じじゃないし自分ひとりじゃない時は、相手の「何をしたいか」も関係してきます。
その中で考えて判断するという、実はとても複雑なことを子どもたちは毎日やっているのです。決まりきった答えや正解があるわけではなく、むしろそこを決めるのは自分たち次第。
自分で考える、仲間と考えることの繰り返しです。外遊びではさらに環境の変化がくっついてくるので余計複雑です。
子どもの遊びを広げ、遊びの大切さを伝え、子どもと大人、地域社会をつなぐ役割を担ってゆけたらと考えています。 
 
小金井にも児童館や学童以外の子どもの居場所が増えています。子どもの貧困が問題になり、子ども食堂の取り組みなどです。子どもの環境がより悪くなっているととらえると辛いものがありますが、地域の中に子どもの居場所が増えていくことは喜ばしいことだと感じています。子どもは親だけで育てるものではありません。私共も、子どもを仲立ちに大人がつながり、子どもと大人の笑顔あふれる小金井になるよう、子どもとそれに関わる全ての大人たちが生き生きとできる居場所作りを目指しています。 
 
 
◎取材を終えて   
 
私は第1子である長女を出産後、無我夢中でお世話をして・・はたと気づいた時、だいぶ動きの多くなってきたこの未知の生物(笑)と、一体どんな風に遊べばいいの⁉と言う疑問に突き当たりました。
どんなことをしたら喜んでくれるのか、興味を持つのか。それはそれは必死でネット検索する日々。寝かしつけた夜に、YouTubeで繰り返し手遊び歌を見て覚えたり、クチコミを読み漁って我が子に良さそうなおもちゃを購入したり・・。幸せなはずの子どもとの時間が、「遊んであげなくちゃ」という思い込みから、だんだん辛いものになっていました。 
 
そんな中で出会ったのが、くじら山のプレーパーク。木にかけたロープのブランコやハンモック、お鍋などのおままごとを見て、目をキラキラさせた娘は勝手に走っていきました。いつも離れないはずのママは眼中になし。でも時々チラっと振り返って所在確認。ふと周りを見渡すと、同じように一歩後ろで子どもを見守っているママたちがなんだか多い・・。
「あれ?こんなんでいいのかも?」と、張りつめていた力が一気に抜けた瞬間でした。
邦永さんのお話にも、「子どもの素晴らしい力」という表現がありましたが、まさにそう。子どもたちの力を信じて見守り寄り添う。たったそれだけの簡単なことなのに、親子共に清々しくゆったりした時間を過ごすことができるようになりました。
その後もプレーパークや「森の親子ひろば りんご」で、遊パークの皆さんには継続してお世話になりました。武蔵野公園に生えている葉っぱや花を天ぷらにして食べたり、みんなでおもちをついたり、季節の木の実を探したり。こんな贅沢な親子の時間を体験させてもらえたことは、一生の財産になると思っています。 
 
遊パークさんの作り出す空間は、なんだかとても居心地が良いのです。きっとそれは、メンバーの皆さんの何もかも包み込むような大らかな温かさがあるからなのだと思います。
これからも小金井の子どもたちみんなのお母さんのような存在であり続けてほしいです。また、我が子もまだまだお世話になります! 
 
※新しいりんごっこハウスへ、皆さまのご支援をお願いしているそうです。
ご賛同いただける方は、以下の口座まで振込をお願いします。 
 
【りんごっこハウスへのご支援】
振込先:多摩信用金庫小金井支店 普通 2383099
特定非営利活動法人 こがねい子ども遊パーク代表 邦永洋子
 
(2022年1月)
 
>過去の団体紹介記事はこちら
 

 
【基本データ】 
団体名     特定非営利活動法人こがねい子ども遊パーク
問合せ先    東京都小金井市貫井北町2丁目14-7 ハイツ深沢105
        042-201-5453 プレーパーク事業は080-6880-9809
ホームページ https://www.koganei-yu.net/
FB https://www.facebook.com/koganeikodomoyupark
ブログ https://ameblo.jp/koganei-yu/

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