貫井けやき公園に隣接する、地域の寄り合い所「また明日」。
以前から気になっていた場所に、幼稚園児の息子を連れて行ってきました。
まるで自宅にいるかの様にくつろぐお年寄り、お昼寝をしている小さな子ども。初めて来た息子も自然に雰囲気に馴染んで遊びだしてくれました。
「また明日」は、「認知症専門デイサービス」「認可外保育所」「地域の寄り合い所」が一つになった施設で、アパート1階の5戸分の壁を取り払って一つにした長屋のような空間。
管理者で介護福祉士の森田和道さんとNPO法人代表で保育士の森田眞希さんのご夫婦が中心となって運営されています。
代表の森田さんにお話を伺いました。
◎活動を始められたきっかけはなんですか?
社会には障害持つ人もお年寄りも色々な人が住んでいるのに、施設になると分けられてしまうのはどうなのか?
子どもにとっては色々な世代の人たちの関わりの中で育つ方がいい。似た者同士じゃないグループとの関わりの中でお互い得るもの、日本人が一番低いと言われる自己肯定感を育てるには、色々な立場の人の環境で過ごすのはいい。
お年寄りにとっても今まで生きてきた証しを、生身の自分を見せながら伝える。言葉ではなく、日常の生活の中で理解していく。
自然にそういうことが出来る環境でいたいのでこういうスタイルの居場所を作りました。
◎活動をしていて思うことは?
お年寄りも支援をしてもらうばかりでなく、実は出来ることが色々あります。
ある時、介護用ベットに寝ている方のそばにゆりかごを置いておいたら、手を伸ばしてゆらゆら揺らしてくれていました。そこに注目したい。
何かしてあげようと思う気持ち、頼りにされる、必要とされることは人間にとって大切なこと。
「ここにいると、まだ生きていていいと思える」とおっしゃった方もいました。
スタッフに抱っこしてくださいと頼まれることもある、まだまだ自分は必要とされているのだと思えることを大切にしたい。
子どもも、小さいなりにできることはあります。
杖を持って行ってあげたらありがとうと言われたとか、荷物を一緒に持って行ったとか。
子ども達の方が、お年寄りがいつもここに座るとかよく覚えていますよ。
訪れるお母さんの中には、幼児広場は楽しいのだけどどうしても自分と他のお母さんを比較してしまう、ここなら比較しようがない、という方も。お昼寝しているお母さんもいます(笑)。
あと、ここでは時間の縛りがありません。
みんなそれぞれのタイミング、ペースで、食事をしています。子どもも、幼少期くらいは自分のペースで過ごせばいい。ひとりひとりのリズムに合わせて過ごしています。
今日もたまたま農家さんからトウモロコシをいただいて。スケジュールが決まっていたらイレギュラーな事だけど、それもないので嬉しいハプニングです。
◆取材を終えて
ここでは、どうしてこんなにリラックスした時間が流れているのだろう。お家に帰ってきたような感覚。
代表の森田さんやスタッフの方々の穏やかで暖かい雰囲気、自然な声がけ。お年寄りと小さな子どもたちが本当に自然で、それぞれのいいように過ごしていました。
スタッフの方々は、お散歩に出かけた時すれ違った人には必ず挨拶をされるそうです。地域との繋がり、人と人の触れ合いのきっかけも大切にされていることが伝わりました。
何か特別な言葉はなくても、その場に居ることで感じ取れる人生での大切なこと。訪れてみて、「また明日!」と言ってまた来たくなる、そんな居場所でした。
【基本情報】
特定非営利活動法人 地域の寄り合い所 「また明日」
住所:東京都小金井市貫井南町4-14-14ヴィレッジ・パル1F
電話番号:042-386-8280
メール:mata.asita@kvp.biglobe.ne.jp
ホームページ:http://www7b.biglobe.ne.jp/mata-asita/