育休パパーその妻の呟き④ー

晴れて産後1か月が過ぎ、大げさだけれど〈自由の身〉になった。台所に立っている自分が懐かしく、なんだか新鮮。
えーと、お料理は何から始めればいいんだったかな・・?と産後の回らない頭を必死に回転させて、なまった身体を動かす。そしてふと気がつくことがたくさん・・。
 
 
ママのルールはどこまで重要か? 
 
別にそうしなくてはいけないというわけではないけれど、なんとなく主婦が勝手に決めている暗黙の家事ルールってどこの家庭にもないだろうか。
我が家で言えば、お皿のしまい場所や洗濯物の干し方。育児に関しても、食卓を降りたら食事はおしまい、食事中は大人も携帯を触らない、服を脱いだらすぐ畳むなどなど。子どもには少し厳しいルールもあるかもしれないし、これがうちの憲法です!ときっちり決めたわけでもない。ただ子どもと生活する中で自分なりに考えて一生懸命守ってきたことだから、私としては大事なルールだった。でもパパはそんなことは知らないので、いとも簡単にルールを破ってくれるのだ。
家事を再開して気付いたのは、お皿のしまい場所がぐちゃぐちゃになっていたこと。ため息をつきながら元通りに並べなおす私。そしてパパが干してくれた洗濯物を取り込み、またもため息。どう干したらこんなに綺麗にしわくちゃになるのかしら、と思うくらいの芸術的な干し方。形状記憶にもほどがある。(アイロンなんて丁寧にかけている暇ないからやめてよー。)と心で叫ぶ。
食事時には娘と一緒に、当日撮った携帯の動画を見せながらゲラゲラ大笑い。食卓を降りた娘に、好きな果物を食べ歩きさせていたり。朝に着替えたパジャマが床に散乱していても全く気にせず、むしろパパの洋服の方がたくさん散乱している・・・。
確かにパパにはパパの考え方、やり方があるのだろうとは思う。でも、パパよりはるかに長い時間を家事・育児に割いてきた私が積み上げてきた考え方、やり方は大事にしてほしいと思ってしまう。だから都度都度、それはこうしてほしい、ああしてほしい、と今までの方法をうるさいほど伝えていた。
育休取得前は、そこまで日々のルールをパパに伝えてこなかった。パパが休みの週末は娘にとっても私にとっても非日常で、少しくらいルールが破られたとしても、平日には日常に戻るからいいやと目をつぶっていたところもある。でも毎日パパが家にいる今、出来る限り今までのやり方を踏襲してほしいと思っていた。
そんなある日、些細なことでけっこう激しく口論していた私たち夫婦。パパの口から爆弾発言が飛び出した。 

「何でもママの思う通りになると思うなよ!」 

・・・数秒絶句の後、何と言い返したのかあまり記憶にないけれど、(じゃあ全部自分でやってみなよ。)と胸の中が怒りでワナワナしながら昼寝中の子ども2人を置いて家を飛び出した。
一人になって頭を冷やさないと怒りの感情に全身を支配されそうな気がしていたからだ。
そんな中でも最終授乳の時間を思い出し、最大あと2時間半は帰らなくても大丈夫と冷静に計算。1駅先まで電車に乗って、お気に入りの子ども服売り場で息子の洋服を1着購入した。無収入の主婦だから、高い買い物をすることにいつも後ろめたさを感じていたけれど、この時ばかりは散財してやる!とカード決済。でも自分の服ではないところがなんだか小心者で、自分でも笑えるのだけれど・・。
続いて安めのカフェで店員さんにペンを借り、なぜそこまで腹が立ったのかメモ用紙に箇条書きで書き出してみることにした。

怒りで頭がぐちゃぐちゃだと、(こんなこともあんなことも言いたかったのに・・)と後で思い返して悔しく思うことがある。この時は、そうならないように冷静に思い返したことを文字にまとめ、「帰宅後にパパに落とし前をつけてもらおう」と息巻いていた。
書いていくうちにだんだん自分の気持ちも整理されてきて、こんなことも引っかかっていたんだなと自分でも新たな発見があった。
本当はあの時に、優しい言葉をかけてほしかったのに責めるようなことを言われて悲しかった、そういえば昨日もこんなことを言われて少し嫌だった・・。
何がイライラの原因だったのか考えていると、芋づる式に色んな記憶が蘇ってくる。それぞれ一つ一つは些細なことで、モヤッとはするものの、流すことができるレベルだったことが積もり積もっていき、とうとう小さな口論でパチンと崩壊することがある。だからパパは、私が何にそんなに怒っているのか全く分からない時もあるらしい。今回の件に関して言えば、最後の一言が私にとってはインパクト大の怒り要因だったけれど・・。

でもこうして冷静に考えて書き出してみることで、自分の気持ちを見つめ直すことができて本当に良かった。乳幼児の育児中って立ち止まってゆっくり考える時間はほとんどないように思う。
少しでもボーっと考えようものなら、娘の「ママ、見て見て~!」攻撃がきたり、「ママは先生役ね。」と勝手に配役が回ってきたりする。そして、「「ワーン(訳:おっぱいちょうだい)」と息子の声。その合間にご飯の支度もしなくちゃならない。10分でいいから私以外の時間を止めて―!と何度思ったことか。
そんなものすごい早いスピードで過ぎていく毎日の中、自分の気持ちに真剣に向き合えて良かったな、と少しパパに感謝。そして気持ちがスッキリしたところでタイムオーバー。

 
続く。
 
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