【学校の「つらい」を軽くするアイデア③】休み方

 
前回の記事では、学校生活の中で感じる「つらさ」を、少し軽くするための考え方や工夫についてお伝えしました。今回は、その続きとして、「休み方」という視点から、学校との付き合い方を考えてみたいと思います。 
 
学校に毎日通うことは、学びや友だちとの交流という点で、とても大切な経験です。その一方で、「頑張りすぎてしまう子」「いつもドキドキが止まらない子」「大きな音や賑やかさが苦手な子」にとって、学校生活は大きなエネルギーを消耗する場でもあります。無理をして通い続けるうちに、帰宅後はぐったりしてしまったり、朝になると体調が悪くなったりする子も少なくありません。 
 
「熱や腹痛など、はっきりした身体症状がないのに休むのはずるいのでは」「一度休むと、休みやすくなって不登校になるのでは」。そんな不安や思い込みに、心当たりのある方もいるかもしれません。けれど、日々の子どもたちの様子や、家族のリアルな声に耳を傾けていくと、学校に通うことと休むことを対立させるのではなく、どちらも大切にしながら成長を支えるという考え方が、少しずつ広がってきていることに気づきます。 
 
実際に、自治体レベルでその考え方を形にした取り組みも始まっています。愛知県では、学校に登校せず、親子で体験や探究の学びを行う日として「ラーケーションの日」が導入されています。この日は欠席扱いにならず、教育活動の一環として認められています。保護者の休暇に合わせて平日に設定でき、学校外での学びや体験を、子ども自身が考え、実行することができます。スポーツやキャンプ、自然観察、歴史探訪など、教室の中だけでは得られない経験を、親子で共有する時間が、正式に「学び」として位置づけられ始めているのです。 
 
また、大分県別府市では「たびスタ休暇」という制度が実施されています。こちらも、平日の家族旅行や体験活動を欠席扱いにしない取り組みで、年度内に一定日数まで、旅や体験を目的に学校を休むことができます。学校から離れた場所で過ごす時間や、家族とともに体験する時間が、子どもの学びや成長につながるものとして、大切にされています。 
 
こうした公式な制度がなくても、日々の学校生活でエネルギーが枯渇してしまう場合には、家庭で相談しながら、主体的に休むことも選択肢の一つです。「今日は休みDAY」と決めて、心と体を回復させる日をつくること、休んだ日はゆっくり過ごし、また笑顔で通えるペースを探していくこと。その「無理をしない調整の仕方」を一緒に考える時間そのものが、子どもにとって大切な学びになります。 
 
学校へお休みを伝えるときは、理由を長く説明するよりも、シンプルな言葉のほうが伝わりやすいこともあります。「学校を嫌いになる前に、長く通い続けるために、今日は休みます」「学校外での学びを得るために、お休みします」。こうした言葉が、先生や周囲の大人との間に、少しずつ理解の余地をつくってくれる場合もあります。 
 
休むことは、決して逃げではありません。子どもの成長は、学校に通っている時間の長さだけで測れるものではなく、心と体のエネルギーを守りながら、自分のペースで学び続けていくことの中にあります。学校との距離感は、人それぞれ。好意を持ち、無理をしすぎず、ぼちぼちと。その子なりの「学校との付き合い方」を、家族で探していけたらいいですね。 
 
(2026年2月 のら蔵 フリースクール運営10年目)  
学校の「つらい」を軽くするアイデア①はこちら 
学校の「つらい」を軽くするアイデア②はこちら

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