講座報告③)「子どもを導かなきゃ!」という気負いを手放そう!

 
「気持ちが軽くなる子育てのススメ」、講座3回目は「子どもを導かなきゃ!という気負いを手放そう!」
講師は、親業訓練インストラクターで、市内の小学校で別室支援員として不登校の子の支援もされている竹澤千穂さん。>講師の紹介記事はこちら 
 
竹澤さんは、自身の子育てを振り返り「子どもがつまづかないように、犬の首にリールを付けて引っ張るように、導こう、導こう、と手を出し、口を出していたことが、子どもの自己肯定感や意欲を下げていたことに気が付いた」と言います。親業を学び、リードを手放し、子どもが自分の足で歩くのを見守り、つまづいてから寄り添えばよいことを知ったそうです。 
 
「親業は、親という職業が、他の職種に比べて難しい職業であるにも関わらず、何のトレーニングも積まずにやらなければならない、というところから開発されたものです。互いに理解し合い、尊重し合うコミュニケーションの方法は同僚・友人・夫婦、全ての人間関係をよりよくすることができます。」 
 

「5歳のハナ君が、『幼稚園に行きたくないの、今日・・・』と子どもがつぶやいた時、あなたはどんな声掛けをしますか?」という質問に、親が言いがちな対応(お決まりの12の型)を子どもの立場で聞くことによって、違いを感じ、自分を振り返りました。 
 
■お決まりの12の型
①指示・命令 ②脅迫・注意 ③説教・訓戒 ④提案・忠告 ⑤講義・理論 ⑥非難・批判 ⑦賞賛・同意 ⑧屈辱・バカに ⑨分析・解釈 ⑩激励・同情 ⑪尋問・探り ⑫ごまかし・皮肉 
 
お決まりの12の型は、子どもがモヤモヤしたとき、親が子どもに代わってそのモヤモヤの解決に乗り出して解決策を言っています。
親は子どもより知識も経験もあるので、かわいいわが子を助けたい一心で意見を言うのですが、子どもにとっては否定されたように聞こえてしまうと実感しました。あるいは、子どもは自分で考えずに依存的になったり、親の解決策でうまくいかなかったら親のせいにする子になりがちとのことです。
この12の型は、親が一生懸命考えてあげたにもかかわらず責任まで負わされてしまう、「骨折り損のくたびれもうけ」のコミュニケーションだと、竹澤さんは思ったそうです。
そうではなく、子どもが否定された感じがせず、自ら解決策を考えるのを手助けするコミュニケーションは「聞く」ことだと・・・・。その聞き方には大きく二つあるとのことです。
 
■受動的な聞き方
①沈黙
②あいづち
③促し 
 
■能動的な聞き方
①繰り返す
②言い換える
③気持ちをくむ 
 
例:子ども同士のケンカの仲裁をする時に、泣いている子と怒っている子がいる時、怒っている子には、「そっか。わりこんでずるいと思っているんだね。」
泣いている子には「強く言われて悲しかったんだね、ビックリしたんだね。」
落ち着いてきたら、2人に「どうしたらいいかなあ?」と自分で考え、行動させることを促すことができます。 
 
「聞く」に徹すると、必死に解決策を親が考える必要もないし、責任を負わされることもないので、親は楽ちんになると・・・。 
さらに、親(自分)が困っている時は、「わたしメッセージ」で相手(子ども)に伝えることで、関係を損なわず子どもが思いやりを持って協力しやすいとのことでした。 
 
■三部構成のわたしメッセージ(わたしを主語にして自分の気持ちを伝える)
①相手の行動(批判がましくなく)=「ショウが靴下を履いたままだと」
②自分への影響(具体的に)=「臭いがリビングに充満して吐きそうになって」
③自分の感情(素直に)=「辛い」 
 
 
参加者は4人1組になり、「話す人」「聞く人」を決め、ロールプレイングを行いました。「そういうとき、あるある!」と話が尽きない様子でした。 
 
▼竹澤さんからのメッセージ
子どもの気持ちを聞くことは余裕がないとできません。ランチに行ったりすることに罪悪感を持たなくていいんです。家族のために、自分を整え、自分のご機嫌をとるのがお母さんの仕事です。 
 
【参加した方の声】
・いつもと違う視点で自分の子育てを考えられました。
・普段の子どもへの声かけがだめな声かけの例のそのままでした。今後、それを変えるきっかけになりました。
・能動的な聞き方とわたしメッセージがこどもに対する接し方として、参考になりました。
・終了後の交流会でほっと一息つきながら、参加者の皆さんと楽しい時間を過ごせました。 
 
 
約 2 時間の講座、皆さん熱心にメモを取りながら聞いていました。
参加してくださった皆さん、ありがとうございました。 
 
(2023年10月)

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