共働き夫婦の育児休業 ―バトンタッチ育休―

 
我が家は、40代の夫婦、6歳の息子と2歳の娘の4人家族です。 
今回は、我が家が第二子の出生時に取得したバトンタッチ育休にまつわる話をさせてください。 
第一子の時は、母である私だけが育休を取得し、第二子の時は、母から父へとバトンタッチする形で育休を取得しました。父母同時に育休をとる、母は産休だけで父が育休をとる、バトンタッチでそれぞれ育休をとる、色々な選択肢の中で、なぜバトンタッチの形で育休をとることにしたのか、実際はどうだったのか、その後何が変わったのか、我が家の場合を少しだけご紹介します。 
 
我が家の産休育休の概要 
 
•2015年 第一子 誕生
母のみが産休育休合わせて14ヶ月の休暇を取得
•2019年 第二子 誕生
母が産休育休合わせて10ヶ月、その後バトンタッチする形で、父が育休を5ヶ月取得
(完全なバトンタッチで育休の重複期間はなし)
 
どうしてバトンタッチ育休をとることにしたのか 
 
我が家は同級生の夫婦で共働き。家事もローンも何でも半分ずつやってきました。でも、第一子を妊娠した際、深く考えずに母である私だけが育休をとることになりました。私は、息子とじっくり向き合って過ごせたし、夫婦ともども新米両親だけど、試行錯誤しながらそれなりに楽しく過ごすことができました。悩みの種だった保育園も何とか決まり、仕事復帰に向けて様々なことを整え、いざ!!
現実は・・・家庭と仕事の両立の負担は、ほぼほぼ母である私だけにのしかかってきました。 
あれ?なんでこんなことに?あれあれ?喧嘩して喧嘩して不平等を叫んでも、夫は「仕事だから」と帰宅時間の連絡さえままならない始末。私の仕事は、無視?あれ?家庭内の分担がどれだけ不平等か図解で説明してみても、アプリでスケジュールを共有してみても、どれだけ家事家電を増やしても、私の不満は止めどなく湧いてきました。
それでも、息子はとにかく可愛くて、「もう一人欲しいな」という思いが湧いてきた頃、自分の理想の家庭像は何か、どうしたらその理想に近づくことができるのか、真剣に考えてみることにしました。 
それで辿り着いたのが、バトンタッチ育休でした。それまでの子育ては、知らず知らずに常に私が主導権を握り、夫を頼りないと恨みながら、任せることをしませんでした。大きな原因は、私にもあることに気が付きました。 
 
父親の育休 
 
夫の育休取得については、職場で様々な混乱が起きたようですが、なんとか取得できることになりました。それぞれの育休の期間については、授乳や離乳食、保育園入園のスケジュールを考慮しながら話し合って決めました。
実際、育休をとってみてどうだったかというと、夫は「普通だよ。大したことない。」と言いながら、娘の離乳食におむつ替え、子育て広場へ連れて行く、息子のケアや保育園の送迎など、親としての行動が体内時計に刻み込まれたように自然に動いてくれるようになりました。ワンオペ経験により圧倒的な成長を遂げたと、私の目からは見えています。1歳前後の5ヶ月間をドップリ父親と過ごした娘は、今でも食事も寝かしつけもお父さん希望のお父さんっ子です。完全なお母さんっ子の息子も、父親との関係構築ができたようです。
 
  
 
父親の育休後の我が家と社会の今 
 
我が家の今の状況はというと、職場復帰した夫は、早く帰宅して子どもたちとの時間を過ごし、子どもの入眠後に残った仕事を片付けています。コロナ禍で在宅勤務をしている私も、早めに仕事を切り上げて子どもたちとの時間を過ごし、そのまま一緒に眠り、翌朝子どもたちが起きる前に残った仕事を片付けています。今年度小学校に進学した息子は、生活の変化に格闘しながらも着実に成長しています。陽気な娘は、保育園でも家でも楽しく暮らしています。私のイライラはというと、いつのまにかめっきり減っています。 
 
ここ数年で、日本社会も変わったなと感じることが増えてきました。第一子を育て始めた頃より、保育園で見かける送迎のお父さんの数も圧倒的に増えました。保育園の孫のお迎えと言えば、おばあちゃんばかりだったのに、今ではお迎えに来るおじいちゃんもよく見かけます。小児科に一人で子どもを連れてきているお父さんも増えたと感じます。技術家庭の男女共修、男女混合名簿、男女雇用機会均等法といった制度や環境が整い始め、男女平等な社会を実現すべく変化している時代の中で育ってきた我々夫婦も、まだまだ母親に偏重する日本の育児の価値観が自分たちの根底にはあり、知らず知らずに我が家のバランスに反映されていたのだと思います。
家庭に対する価値観は人それぞれ、母子家庭で育った私、専業主婦家庭で育った夫、育った時代背景、育った場所、過ごしてきた環境、みんな価値観が違って当たり前ですよね。今の我が家は何でも夫婦で半分ずつというスタイルですが、今後は得意な方が得意な部分を多く受け持っても良いのだと思います。 
自分の価値観はどんなものなのか、パートナーの価値観はどんなものなのか、子どもたちがこれから生きていく時代はどんなものになるのか。 
これからも試行錯誤しながら、あっという間に過ぎてしまうであろう子育て期間を家族で楽しんでいきたいと思っています。 
 
2022年1月Aママ 
 
<参考情報>
昨年6月に改正され、今年4月から段階的に施行される育児・介護休業法では、男女とも仕事と育児を両立できるような支援が進められていくそうです。 
>厚生労働省 情報ページ 

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