毎日の暮らしに役立つ、今すぐできるアウトドア防災講座

 
全国で講演を行う、アウトドア防災ガイドで、「リスク対策.com」の名誉顧問のあんどうりすさん。
以前からお話を聞いてみたいと思っていたので、今回の公民館講座が楽しみでした。
お話を聞いて、アウトドアの知恵と技術に学び、それを防災に活かす備え方や、日常にも役立つ防災情報など生きる知恵が身に付きました。
普段使いできるアウトドア製品やすぐに用意できるものもたくさんあって、モチベーションも上がりました。
あんどうさんのお話の内容を簡単にまとめたので以下にご紹介します。 
 
~日々の暮らしに防災の観点を持っている事が大事~ 
 
”日常とひと続きの防災で生きる知恵を身につけよう”
「防災の必要性を感じてはいても、『いつかは』という感じで本腰を入れられない人は多いと思います。」と話し始めるあんどうさん。
「災害時って、パニックになっているので、子どもはもちろん大人だって、ふだんやり慣れていないことをやろうとしてもできないんです。
子育ての中で日常的にやっていて、かつ防災にも役立つことであれば、実際の災害時にもきっと使えます。私が提案する防災アイディアは、アウトドアの『生きるための知恵』を応用した、家族で楽しみながらできることばかり。
防災を“万が一のときの特別な準備”として考えるとハードルが高いので、毎日の生活の一部として習慣づけることがポイントです。ぜひお子さんと一緒に、やってみてくださいね。」
とのこと。アウトドアやキャンプ用品は、普段使いにも軽くて丈夫で便利だし、防災にも役立つ等、一石二鳥以上のもの!
日頃キャンプをやっておくと、防災時にも楽しく避難生活が送れて良いなと思いました。 
 
★子育てバッグがそのまま防災バッグに!
子育て中の親だったら、外出時にいつも持ち歩くカバンに入っている飲み物や食べ物、充電器、断熱素材のおむつ替えシート、大判のハンカチ、母子手帳、保険証、オムツ、ウェットティッシュ、ミルク、消毒。
とにかく命を守る事が1番大事なので、子どもたちが乳幼児だった頃はこのバッグを持って逃げようと思っていたそうです。 
 
★外出時に持ち歩くもの
スマホ用充電器、現金、身分証明書、保険証、飲料水、携帯食、携帯トイレ、生理用品、防犯ブザーや笛、使いやすい形状の携帯トイレ、小型ライト、中身が見えないポリ袋、スキンケアメイク落とし。
荷物は揺らさず、重心を高くするために上に持ち上げると軽く感じるそう。(子どもの抱っこやおんぶと同じように。)

都内の避難所は大混雑になることが予想されるので、子どもが居る場合、危険でなければ家で安心して過ごせるよう、ローリングストック、水、防災トイレの準備を!
我が家も、缶詰や乾物、レトルトなど普段使いしている物が災害にも使えるなあと多めにストックしてあります。 
 
★災害発生時はトイレの水を流さないで!
集合住宅で排水管が破損した場合、上の階で水を流すと下層階で水漏れが発生することも。
また、集合住宅でも戸建てても、排水管が壊れているのに水を流すと詰まらせてしまい、復旧に時間がかかる場合があります。排水管の無事を確認できるまでは、流さないのが鉄則!災害用トイレを使うこと! 
断水してトイレの水など流せないときに、オシッコを凝固剤で固めて入れておくと、臭わなくて助かるそう。 
 
災害時や避難所のトイレ事情、特に障害を持つ方のトイレ事情など、なかなか表立ってニュース映像には出てこないけれど壮絶になるとのこと。
私も、車の中には携帯用トイレを常備していたけれど、実際に使ったことはなかったので、今回初めて麦茶を入れてみて消臭や固まり具合を観察しました。
その結果、女性はやりにくそうだなあと実感。使い慣れておくことも大事ですね。大人のオムツや、ペット用トイレシート、トイレ砂なども代用で使えるそうです。
我が家もビッグサイズのオムツの余りを災害用に取っておいてあります。
携帯トイレももっと準備しておかねば!! 
 

★水害
まずは濡れない事、水の中を歩いて移動するよりもとにかく上に上がることが大事。夜道は水たまりやマンホールにハマる事もあるので危険!
ライフジャケット、ウェット素材のウォーターシューズ、杖、など用意しておくと良いそう。 
防水バッグは、普段は水着入れやお弁当入れにも使えたり、災害時には、給水運びにも使える。
 
★被災時はインナーやアウターの着方が生死を分ける!
寒い時期に被災した際に気をつけたいのが、低体温症。衣類が濡れると体温が奪われ、命に関わります。
汗をかきやすい子どもは知らないうちに肌着が濡れていることも。その上からいくら着込んでも冷える一方なので、濡れた肌着はすぐ着替えるか、替えがなければ肌着は着ず、新聞紙でくるむほうがまだ良い。 
 
また、保温性の高いダウンジャケットの正しい着方は、体温で温まると膨らむダウンの性質を生かし、肌着のすぐ上など肌の近くで着ること。
風が通ると熱が逃げるので、ダウンの上に透湿防水・防風タイプのジャケットを重ね着したり、ブランケットなどを羽織るなど、ダウンをつぶさないで着ることがポイント!
重ね着すると風を間に通して空気層を作ってくれるそう。
血流の多い3首(首、手首、足首)を温めることも大事。
LEDヘッドライトは手ぶらになるのであると便利。寒い所に座る時の、折り畳み式のクッション座布団があると良い。

レインウェアは、やや高価でもアウトドアでよく使われる、ゴアテックスなど透湿防水素材のものが安心。
YKKのチャック同士は繋げられるので、大人の防寒上着と、抱っこしている子どもの防寒上着を繋げられるアイディアはなるほど! 
 
 
 
★ウェザーニュース 総雨量のチェックをしておこう
避難は早い方が移動が楽。避難出来る親戚宅、ホテルの予約も早目早目に。 
 
★地震対策はまずは家具を減らすこと!
家具の固定は、ゲルタイプやシールタイプなど取り付け簡単なものも増えています。 
 
★車中泊は「ばすだしで」
「ば」場所 安全な場所選び 停車場所の近くに水道やトイレがあるか?
「す」水平 車中泊で一番注意したいのがエコノミークラス症候群。
「だ」断熱 車は熱しやすく冷めやすい。断熱マットや段ボールを利用。
「し」収納 物の収納場所を決めておく。
「で」電源 車は電源にもなる。
でも、車の中で寝るよりも、テントで寝る方が温かいということには驚きました。 
 
(2022年1月 Mママ)
 
 
【今回の講座における関連資料や関連サイト】 
 
・ 特に女性に知っておいてほしいこと『女性の災害への備え』
>詳しくはこちら
・ 『災害時の乳幼児栄養』 
>詳しくはこちら
・ 『どうする水害から命を守る方法』
>詳しくはこちら
・ 『あんどうりすのゆるっと防災』
>あんどうりすさんのFBページ