「東小金井北口こども商店会プロジェクト」 リポートその2 〜子どもたちの真剣プレゼンに思わぬ展開が〜

 
翌日、子どもたちは商品の価格・原価・販売数・売上・荒利・利益、などの基本を教わり、具体的な商品のイメージを作り、商品名・価格設定と収益予想を作っていく。 
最初、主催者側は、紙でのプレゼンの予定だったが、2日目に家からタブレットを持ち込み、googleスライドを使い始める子どもたちも。なるほど材料の原価はネットスーパーで調べるんだ〜〜。 
 

 
やっぱりというか女子が中心になってまとめ始めている。男の子は走り確認し、思いつきで発言する。遊びながらの作業も見かけて、「大丈夫か」と声をかけたくなるけど、今日も「てつ」先生はニコニコ見守っていた。 
 
さあ、いよいよグループ3つによる新商品の提案の社長プレゼンが始まった。
1組目は中学生1人と小学生男子2人の3人。グループ名は「Thinktogether」。
・家族連れが多い割にはお子さまメニューが少ないので、お子さまランチはどうか?と提案。
・ケーニッヒ=王様という意味に着目して王冠のイメージで配膳するという。価格も800円とお手頃だ。 
 

 
 
2組目は、「かがやき」。小学校高学年の女子グループ。
・コロナ禍なので、テイクアウト需要を見越したBBQセット。「ケーニッヒSP」。
・社長がサンドイッチを作りたいということを捉えて、サンドイッチの切れ目がお化けに見える「お化けパン」。 
 



 
3組目は「LPW」。小学校高学年男子・女子のグループ。
・種類が多いケーニッヒのソーセージを色々味わいたいと、ソーセージを半分ずつホットドッグに入れる。「冒険ホットドッグ」。そこにスープをつける。1200円。
・聞いていた大人からは、「スープ付きが嬉しい」との感想も!おお反応がいいぞ。 
 

 
さて島崎社長からは感想が。
1組目の「Thinktogether」。お子さまランチはやりたいと思ってたけど、800円だと難しいか・・数がそれだけ出るか? 
おお!ガチの感想。 
 
 
 
2組目の「かがやき」。BBQスペシャルは個数が出ないか?この1階で売れるかなぁ・・。
お化けパンはアイデアはおもしろい。ただ単価が500円だと安いかな、手間の割には・・と。 
 
3組目「LPW」には、お客さん目線がいいなぁと好印象。いろいろ問題はあるけど・・と感想。 
 
島崎社長、全部ガチな感想だ。手加減なし。それだけに、子どもたち、 
「商品化って難しい。お客さんの立場に立つって難しい!」と感想も出た。
振り返りも終わり、時計を見ると午後4時。予定より早めに終わった。
主催者の市川さんが、 
「どうしようか、ちょっと早いけど帰る?」と聞くと、遊んでいた高学年男子が、 
「反省会やらせて下さい!」といきなり発言!
おお〜〜反省会か!やる気満々だなぁと思った次の瞬間。本気(マジ)の島崎社長が子どもたちに提案。
「じゃあリベンジする?再プレゼン聞くよ!」 
 
「おっしゃぁ〜!」子どもたちの喜びの声。全くの想定外、子どもたちの本気の熱意が、島崎社長を動かした。 
「子どもたちが真剣だったんで、こっちも真剣じゃなきゃ失礼じゃないですか。」と島崎社長。スゴイ瞬間に立ち会えたと、ちょっと魂が震える。
 この日、たまたま社会教育NPO「おしえるがっこう」の若者3人がプレゼンを見学にきていたのだが、
「すげ〜〜!学校じゃこんな集中力と意欲を見たことがない!」とうなりっぱなし。 
大人だったら、 
「持ち帰って検討します。」と、とっくに帰ってるところだよね〜と、リーマンおやじのコメントも聞こえた。 
 

 
大人たちを尻目に、半分遊んでいた高学年男子の目の色が変わっている。女子を引っ張り始めていた。 
島崎社長曰く、 
「こういう瞬間に、できるヤツの真価が発揮されるんですよね」。 
さすが商売をくぐり抜けてきた経験が言わせる言葉だ。 
1時間後・・・。
「待って!もう10分!」という悲鳴を上げながら子どもたちが再プレゼン。 
 
先ほどの1組目の「Thinktogether」は、お子さまランチから方針を、「大人さま」ランチに変更。「大人向けだから」と価格も上げた。 
 
 
 
2組目の「かがやき」は、お化けサンドに加えて、バレンタインサンドの提案・・・。

3組目の「LPW」の「冒険ホットドッグ」は、ホットドッグ2本セットにして価格を上げるという作戦。

結果、島崎社長からは「大人さま」ランチが、ネーミングと価格の面で良い点をついていると高評価!確かに、おっさんの私も食べてみたくなる内容だった。

そして皆が感想を言った後で、キャリアコンサルタントの大野さんからオンラインで子どもたちに最後の呼びかけが・・・・・。
「みんな!この後どうするの?これで終わり?商品を作らないの?働いて実際にお金稼がないの?」 
 
 
 
どこまでも火を付けまくる大人たち。コロナが収まっていれば来年は、秋祭りに向けて商品開発をガチでやりたいと主催者の市川さんは考えているとのこと。

近い将来、火を付けられた子どもたちが活躍し、小金井でビジネスを始める子どもたちがこの中から出るかもしれない。 
頼もしい子どもたちと過ごした2日間だった。 

(完)
 
【記:ミニコ新聞・バイト記者・小林】 

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