みなさんには『かかりつけ薬局』はありますか?
私は子どもができるまでは不遜にも、「お医者さんが処方する薬をもらうだけだもの、薬局はどこだっていいじゃん~」と思っていました・・・。
今は声を大にして言えます。頼りになるかかりつけ薬局は必要です!地域に根ざす調剤薬局さんの中には、「地域の方々の健康をサポートする場所」としての役割を担ってくれているところもあるからです。
今回、応援団レポートで『にじいろ薬局』を取り上げることになった時、すぐ自ら「取材したいです!」と手を挙げました。にじいろ薬局さんには本当にお世話になっているし、オススメしたいし、なにより皆さんに頼りになる「かかりつけ薬局」の重要性を知って欲しいと強く思ったからです。
「えー、かかりつけがあるなしでそんなに違うもの?」と思った方、是非最後までお読みくださいね。
まずは、にじいろ薬局の森田さんにお話を伺いました。
◎活動を始めたきっかけは?
薬剤師になって最初に勤めた薬局が、小児科の隣の薬局で、それ以来ずっと小児医療に関わっています。
2013年、梶野町に「にじいろ薬局」をオープンしました。その時も、最も近い病院が小児科で、小児科の処方箋を持った患者さんに多く利用して頂いたこともあり、より深く小児医療に携わっていきたいと、「小児薬物療法認定薬剤師」の資格を取得しました。
現在は近くの小児科が閉院し、患者さんの年齢層は、小児から高齢者と幅広く、多くの方にご利用いただいています。
自らが薬局と同じ小金井に居をかまえ、小金井で子どもを育て、周りの意見を聞く中で、医療と患者さんとの壁が気になり始めました。
その壁をもっと低くし、お互いが相談し合える環境を整えることで、いらぬ心配が減り、皆さんが病気になった時も冷静に判断がし易くなるのではないか。
自宅で悶々と不安に押しつぶされそうになる時、電話でもLINEでもいいので相談してくれたら、一緒に考えることができたら、気持ちが楽になるのではないか。そのように思い、身近な存在になれるように、お祭りやイベントに積極的に顔を出すようになりました。
◎現在はどんな活動をしていますか?
イベントへの積極的な参加をしています。
子どもが元気な時、病気ではない時の方がゆっくり気になることを話せるものです。また、周りに人が待っている待合室より、イベントの中でパパ友やママ友も交えて一緒に話をした方が、話が盛り上がります。
病気になったら頼ってくださる場所として、薬局を見てくださるのは嬉しいことですが、病気になるかもとか、病気かもしれないといった不安を、病気になる前・病院にかかる前に、小さくすることができたら嬉しい。だから、元気な時にこそ、しっかり話せる機会を作っておくことに力を入れています。
嬉しいことに、同じような気持ちを持った薬局や医療従事者が、医療との壁を低くするためにイベントを開催したり、地域の行事に参加してくれたりするようになりました。そして、そういう医療従事者を、地域につなげるお手伝いをする機会が増えました。
街の人々の情報活用能力が上がること、適切な情報にアクセスしやすくすること、その難易度を下げるために、自分自身もたくさんの交流をし、情報を整理しています。
◎これからやってみたい事や、伝えたいメッセージはありますか?
薬剤師という存在は、処方箋がなくても薬局に行けば話ができる医療従事者です。薬剤師だけでは解決しないこともありますが、どの段階で病院に行けばいいのか、何科の病院にかかればいいのか、病気をどのように捉えればいいのか。そんな解決の一歩手前に関わることができます。病院にかかる前の1つの選択肢になれるといいなと思っています。
また、zoomなどを利用した匿名の座談会や、子どもたちを寝かしつけたあとの夜に1時間だけでも、または会社帰りの保護者に寄ってもらい、医療従事者と話す場を作ってみたいとも思っています。
公式LINE(検索で表示されます)があり、事前に処方箋画像を送って頂くことで、薬の準備を始め、待ち時間軽減をしています。薬の受け取りは短時間でも、後から気になったらLINEで相談することもできます。もちろん、電話をいただくことも、立ち寄ってくださることも大丈夫です。
皆さんとは、処方箋の薬の受け渡しの時だけの点の関係ではなく、いつでも声を掛け合える線の関係を続けていきたいと思い、活動しています。
◎取材を終えて
体調が悪くなったあなたを、何が治してくれますか?
答えはお医者さん・・・ではなく、結局のところ薬である場合が多いと思います。
そう考えると、調剤してくださる薬局の薬剤師さんは、内科・耳鼻科・眼科等々と科で細分化される病院のお医者さんとは違い、実は調子が悪い時に顔を会わせる頻度が一番高い方なのかもしれません。
具合が悪くならない限り病院には行けませんが、何かちょっとした不安がある時、「具合が悪い時の私を知っている方」と話ができると安心できますよね。
もちろん一番肝心な薬の相談だって、調剤をしてもらう時だけでなくいつでもお願いできます。薬ってあんな小さいのに直接体に「変化」をもたらすわけで (もちろん効果を含めて)、よく考えるとやっぱり怖い部分があると思うのです。ワクチン大丈夫なの? この薬強すぎない? 子どものこととなると特に心配になることは多いのではないかなと思います。
その正当な「怖い」を否定せず、科学的見地と経験を用いて「患者さんのためには」という立ち位置からいつでも相談にのってくださるのは、本当にありがたいし助かります。
薬ひとつとっても、人によって効き方、抵抗感、飲みやすさで左右されるか・・・様々なことがそれぞれ違うわけですから、助言も変わってくるわけです。
長いスパンで見守っていただくことによって、よりしっかりと自分を把握していただけるもの。だから、かかりつけ薬局が必要なのです。さらっとした会話の中で状況を把握して、しっかりと向き合っていただけると本当に安心できますよ。
にじいろ薬局さんは、地域の中で、地域と共に、地域の人々の健康を守っていきたいという想いを強く強く持たれているなといつも感じています。こういった地域を想う地道な活動が、小金井の住みやすさの一端を担ってくれているような気がします。
にじいろ薬局さん、これからもよろしくお願いします!
(2024年11月 Kママ 12歳女児)
◆基本データ◆
団体名 にじいろ薬局
住所 梶野町5-9-9
問合せ先 042‐316‐3795
FB https://www.facebook.com/nijiiropharmacy
公式LINEあり・LINE内で『にじいろ薬局 小金井市』と検索