育休パパーその妻の呟き⑤ー

下の息子が産まれる直前まで、(産まれてくるこの子を本当に愛せるのかしら…)なんて不安に思うほど、上の娘が大切で愛しかった。でも息子が産まれたら数日であっさりとスイッチは切り替わり、母性は新生児の虜(とりこ)に。ふにゃふにゃであったかくて、壊れそうで愛しい存在に、母の意識はどうしても集中する。 
 
 
上の娘と疎遠になる  
 
 
退院後1か月は外出できないので、私は上の娘と出かけることはなかった。でも、パパが家事大半は後回しにしてでも娘と目一杯遊んでくれていた。元々パパは娘と遊ぶことが大好き。彼自身が少年のような人なので、近くの自然たっぷりの公園で時間を忘れて一日中でも遊んでいられるタイプだ。娘も、週末しかいなかったパパがずっと一緒に遊んでくれるとあってキャーキャー大興奮!
私といる時と全然違うはしゃぎっぷりで、家の中でも興奮冷めやらぬ調子でふざけてばかり。もう制御不能な印象で、落ち着いてほしい私は赤ちゃんを抱え、つい冷ややかな目で見てしまう。

産前、娘の赤ちゃん返りを心配していた私に先輩ママの多くは、「上の子を優先した方がいい。」とアドバイスをくれた。でも、娘はパパとたくさん遊べて日々楽しそうで、私が彼女を優先する必要などなさそうに感じた。懸案だった赤ちゃん返りも1か月間は全く感じないほど。産院仲間の経産婦さんは、大概上の子の赤ちゃん返りで悩んでいたので、パパが育休で家にいるということは娘にとって、かなりメリットがあったのだろうなと感じる。
ただしその反面、私と娘の関係性は必然的に希薄になっていた。
私も、(パパがいるからいいや。)と油断していたところもある。ふと気づくと親戚の子?くらいな距離感を抱くほどになっていた。今になってみれば、制御不能なほど興奮ばかりしていたのも、パパが家にいるスペシャルな時間を楽しんでいただけでなく、赤ちゃんという存在が急に家族に入り込み、ママを独占していることに慣れずにいた反動でもあったのかなと思える。つまりそれも赤ちゃん返りの一種だったのだと。でもその時は、ただ喜んでおちゃらけているだけで、早く元のしっかりした彼女に戻ってほしいとばかり思って、彼女を優先するどころか叱ってばかりいた。
パパには、「息子に対する口調と娘に対する口調が違い過ぎてかわいそう、そんなママのことすごい見てるよ。」と指摘されてもいたけれど、やっぱりお姉さんらしくなってほしいという期待感から、娘に対してなかなか優しくなれなかった。
それに叱ったとしても、「ママ厳しいね~、そんなに言わなくてもいいじゃんね。」とすかさずフォローする、娘に激甘なパパがいるから大丈夫だと思っていた。 
 
そんな中、産後1か月を過ぎる頃から、娘がよく風邪を引くようになった。それまでは割と健康な子で病院にかかったのは数えるほどだったので、1か月の間に何度も病院に行くほど調子を崩す娘が心配で不安だった。しかも発熱だけでなく、激しく嘔吐したり、急に強い腹痛を繰り返し訴えて救急外来にかかったり、食欲不振が数日続いたり。
そんな弱っている時はパパよりママが良いようで、「ママ抱っこ!」としきりに言う。ぎゅーっと抱っこしていると、(いつの間にこんなに大きく重くなったのかしら。)と涙が出そうになった。妊娠中はお腹が張りやすく、抱っこは控えていたので、だいぶ長い間娘をまともに抱っこしてあげていなかったのだ。 
 
弟が産まれて日常が一変したことで一番頑張っていたのは娘だった。頭では分かってはいたけれど、育休中のパパに甘えて、一番フォローが必要な娘のことを十分に見守ってあげられていなかったのは私の責任だった、とその時強く反省。パパと遊べて楽しかったのはもちろん事実だけれど、家の中では私もゆっくり絵本を読んであげたり、たくさん抱きしめて優しく声をかける時間を持つことも必要だったのだろうと思う。授乳はどうしようもないけれど、それ以外の赤ちゃんのお世話はパパにお任せして、たまには娘と二人の時間を過ごそう、と遅ればせながら決意したのだった。

続く。 
 
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