Vol.11 of 小金井子育て・子育ち支援サイト「のびのびーの!」

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【Vol.11】
小金井市児童発達支援センターをご存知ですか

高橋智

 小金井市では、心身の発達において特別な配慮が必要と思われる乳幼児の早期発見・早期支援から、生涯にわたる支援を行うための発達支援事業の中核的な施設として、2013年10月に「小金井市児童発達支援センター」を開設予定です。
 開設に向けて小金井市では、市民の発達支援ニーズを把握し施策に反映させるために、2011年11月に最初の「発達支援事業意見交換会」を開催し、2013年3月の終了まで17回の意見交換会を開催しました。こうした取り組みは他の自治体には見られない独自の取り組みであり、市民からは対象年齢の拡大、市の直営、「生涯発達支援課」等の担当課の新設、支援内容の更なる充実などの要望・意見が数多く寄せられました。
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 さて従来、障害児を対象とした施設・事業は、①施設系は児童福祉法、②事業系は障害者自立支援法にもとづき実施されてきましたが、法改正により2012年4月に児童福祉法に根拠規定が一本化されました。18歳未満の支援においては、身近な地域で支援を受けられるようにするため児童発達支援に再編され、多岐にわたっていた障害児施設を一元化して、障害児通所支援である児童発達支援、医療型児童発達支援、放課後等デイサービス、保育所等訪問支援の実施主体が市町村へと移行されました。
 児童発達支援には、児童福祉施設として定義された「児童発達支援センター」と、それ以外の「児童発達支援事業」の2類型があり、障害児通所施設・事業は、医療の提供(医療法上の診療所の指定)の有無により、「児童発達支援」又は「医療型児童発達支援」のどちらかに移行するとされています。児童発達支援センター、児童発達支援事業のどちらも、通所利用障害児やその家族に対する支援を行うことを「共通」とし、児童発達支援センターは地域の障害児やその家族への相談、障害児を預かる施設への援助・助言を合わせて行うなど地域の中核的な療育支援施設であり、児童発達支援事業は利用障害児やその家族に対する支援を行う身近な療育の場という定義がされています。

 法改正を受けて、各地の自治体で児童発達支援センター設置の動きが見られます。市町村規模で児童発達支援を実施できるということは、より地域に即した支援の展開を可能にする一方で、各自治体の予算・資源等との関係で取り組みの格差も大きくなると推測されます。

 では「小金井市児童発達支援センター」には、どのような発達支援の機能・役割が求められているのでしょうか。その一端を明らかにするために、私の研究室では、小金井市民で障害のある子どもを育てている34名の保護者の方々にご協力・ご支援をいただきながら調査を実施しましたので、その要点を紹介したいと思います(森岡直美:2013)。調査内容は小金井市発達支援事業(基本理念、基本方針、相談事業、連携事業、地域支援事業、通園部門、発達支援部門、職員構成等)に関する保護者のニーズ調査、調査方法は半構造化面接法、調査期間は2012年11月~2013年3月です。
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「生涯にわたる支援でどのような支援を求めるか」という設問では、「就労支援の充実」35.2%、「障害に関する情報提供(子育ての見通し)」23.5%、「自立支援」20.5%、「相談の充実」20.5%が上位となりました。幼い時には「子育てに見通しが欲しい」「支援シートを活用し、節目節目で支援をしてほしい」、移行・就労時には就職先の紹介や適職へのアドバイス、就労後の職場トラブルへの対応、保護者が亡くなり子どもが一人になった時には、経済的支援・相談支援などが具体的な支援として求められています。

「発達支援センターでどのような専門的支援を求めるか」では、「機能訓練(ST、OT、PT)」52.9%(「支援を年齢で区切らない継続的な支援」「摂食障害、アレルギーに対する支援」「療育の回数の確保をしてほしい。センター内で確保できない場合は、積極的に他機関を紹介するなど、療育を受けれる環境をつくってほしい」)、「保護者への助言・指導」26.4%(「子どもの日常生活の中での療育方法を教えてほしい」)などが上位となりました。

「相談対象が18歳未満で十分か」では、「十分でない」85.2%、「十分である」2.9%であり、「学校を出てからの支援こそが重要。支援がないと孤立してしまう可能性がある」「本人なりの考えもしっかりしてくる時期なので継続的な支援を行ってほしい」「大学進学や就労など、次のステップに上がるための支援がほしい。小さい頃からの情報が一番活かされるところが18歳以上であると思う」などの意見が出されました。

「支援体制整備の現状で不十分と感じる点はあるか」という設問では、「障害の早期発見(乳幼児健診の取り組み)」20.5%、「情報の不足(療育機関、相談窓口など)」20.5%、「支援者の専門性」20.5%、「関係機関の繋がりの弱さ」14.7%、「学校教育に関すること(不登校支援含む)」11.7%が上位となりました。とくに早期発見・支援では「市内の療育機関の数が足りないので市外の機関への積極的斡旋」「0歳で障害があることがわかった子どもの支援」「母子通園の充実」「受け入れの枠が少ないため通園施設から保育園・幼稚園などに移行が困難」「保育士や幼稚園教諭の発達支援の研修機会の確保」などが多く指摘されています。

「発達支援センターから他の関係機関に繋げる際にどのような支援・配慮があるとよいか」という設問では、「情報の伝達方法」35.2%、「情報の伝達内容」20.5%、「支援シートの活用」17.6%などが上位に挙げられましたが、とくに伝達方法では「支援シートなどを活用」のほか、「コーディネーター同士でのやり取りが書面だけでなく、担当者同士の顔合わせで、本人の特性が的確に伝わるようにして欲しい」「親と今の支援者と次の支援者が一緒になり、子どものことについて直接的に話せたらいい」という指摘がなされました。
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 紙幅の関係で調査結果のごく一部を紹介いたしましたが、2013年10月の小金井市児童発達支援センターの開設に向けて解決すべきことは山積しています。小金井市では、引き続き、市民や当事者の意見・ニーズに耳を傾け、誰もが安心して相談したり、しっかりと発達支援を受けることができるセンターになるように尽力していただきたいと思います。


【文献】
森岡直美(2013)就学前における特別な配慮を必要とする子どもの発達支援の現状と課題―小金井市の「子ども発達支援センター」開設への取り組みを中心に―、東京学芸大学教育学部特別支援教育教員養成課程発達障害教育専攻卒業論文。

高橋智
東京学芸大学特別支援科学講座教授。博士(教育学)。専門は特別ニーズ教育学。
現在、一般社団法人日本特殊教育学会副理事長・常任編集委員、日本特別ニーズ教育学会理事・副編集委員長、法務省矯正局少年矯正課「処遇プログラム等充実検討会」外部アドバイザー、公益財団法人カシオ科学振興財団選考委員、小金井市地域自立支援協議会会長等を兼務。

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