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東京学芸大学に図書館カフェができました!

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2015年8月1日の夜、東京学芸大学図書館カフェ「note cafe」には小学生から老紳士まで、地域のいろいろな人が集いました。トークイベント「戦前・戦後の小金井と東京学芸大学」。堅いテーマと思いきや大入り満員、立ち見が出たほど。参加費は1ドリンク付1千円、小学生以下無料です。

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「そう、この細い道こそが、昔から小金井にあった道なんですよ」。語り手・多田哲さんはテンポよく、講談のように郷土史を語ります。旧い資料にもわかりやすく印をつけて、次々とスライドを見せてくれました。聞き手・藤井健志さんは東京学芸大学副学長。この附属図書館の館長でもあります。
 
参加者の多くは小金井の住人でした。多田さんが写真を示せば「ああ、あそこね!」と小学生も思わず相槌を打ちます。隣りあわせた大人たちも珈琲や紅茶を片手にみんなリラックスしたムードです。会場はおおいに湧いて、最後には大きな拍手が起きました。

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東京学芸大学附属図書館は2015年4月27日にリニューアルオープンし、この夏は地域をテーマにさまざまな動きを見せています。

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6月6日には図書館カフェ「note cafe」がオープン。新聞紙面や中央線車内広告にも取り上げられ、話題になりました。7月24日金曜から8月20日木曜までは附属図書館1階ラーニングコモンズで「學藝アルバム-高度経済成長期の東京学芸大学と地域社会-」を展示、8月1日にはトークイベント「戦前・戦後の小金井と東京学芸大学」を開催しています。

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「この小金井市で、東京学芸大学の敷地は30万平米あまり。大学に6-7千の人々が携わっています。これからの大学は地域と無関係にやっていけない。支え、支え合う関係が大切です。それには『場』が必要でした。図書館カフェを突破口に、新しく地域との関係を培っていきたいと考えています。」(藤井健志図書館長)

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東京学芸大学はこれまでも、地域に開かれた大学として地域の人に親しまれてきました。だれもが緑豊かな構内の自然を見学したり歩いたりできます。「万葉池」のおたまじゃくしは子どもたちに大人気。地域の人々には「おたま池」の愛称で知られます。小金井市とNPO団体の冒険遊び場事業「池と小川のプレーパーク」、小金井青年会議所による子どもイベント「キッズカーニバル」にも、大学構内の広場や施設を提供してきました。

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この図書館カフェ「note cafe」も、地域の人々に開かれています。毎日焼きたてパンのいいにおいが漂い、おいしい珈琲が飲めるとあって、大学生や地域の親子、大学職員のみなさんが絶え間なくカフェを訪れています。

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図書館や書店がカフェを併設する「ブックカフェ」は、全国でもしばしば見受けられるようになりました。公営図書館では千代田区立日比谷図書文化館「Library Dining Hibiya」(2011年東京都千代田区)、武蔵野プレイス「Cafe Fermata」(2013年武蔵野市)。大型書店では代官山蔦屋書店「Anjin」(2011年東京都渋谷区)。大学図書館でも横浜国立大学図書館カフェ「shoca.」(2003年横浜市)、明治大学和泉キャンパス(2012年東京都杉並区)。図書館に新しい流れがあります。
 
1990年代には、図書館の扱う情報の範囲が音声、映像へ広がりました。2000年代はさらにインターネットに広がり、2010年代には対話、交流を促す空間へと深まります。図書館や書店は、情報のかたちとともに空間も変化してきました。

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「note cafe」の目的は、飲食店経営や、本を読むだけの場に留まりません。出会って話し、めくって読み書きする。生身の情報交換こそ、人々の関係性を創り出します。集客数や売上で計れない価値のひとつです。

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たとえば「note cafe」には、来た人がだれでも書き込み、読むことのできる「ノート」が置いてあります。

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手にとってめくるうち、あるページで手がとまりました。藤井健志図書館長の筆跡です。ノートでは図書館長自ら、語りかけていました。建物や事業を企図するだけでなく、その向こうの「人」に語り続ける。情報やコミュニケーションの目指すかたちがこの「ノート」に積層していきます。
 
常連客は「note cafe」で藤井図書館長をよく見かけるといいます。ときにはひとりでぶらりと、ときには大学生や地域の人々と語る姿がありました。藤井図書館長はカフェ新設の真意を「地域との関係性を創り出すことにあります」と繰り返し話しています。

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情報とコミュニケーションとは、実体のある人や具体的なモノを介するものであってほしい。それが図書館カフェ「note cafe」の目的であり、およそ70年にわたり地域社会に教育者を送り出してきた東京学芸大学の姿でもあります。

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そもそも、本には手触りがあり重みがあり、色がありにおいがあり、モノとしての魅力に満ちています。「具体物」としての本に立ち戻るとき、数千年にわたり受け継がれる情報のいれもの、本の魅力が現れてきます。人間にとって本とはなんでしょうか。
 
「本は、世界につながる窓ではないでしょうか」(藤井健志図書館長)

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 ©シャンティ国際ボランティア会

藤井図書館長のお話は続きます。
「こんなお話がありました。ミャンマー(ビルマ)の支援活動をする日本人の団体が、難民キャンプに図書館を作ろうというのです。絵本の文面を翻訳し、届ける活動です。食べ物や住まいに困っているのに図書館どころじゃない、とみんな最初は相手にしませんでした。ところが、難民のみなさんにとっても喜ばれた。だれもが『お腹がすいた』『薬がない』『仕事をしなくては』と奔走するなかで、暮らしも思考もそうしたことばで被われていきます。本は、異国での難民生活の続く親子にまったく新しい語彙をもたらし、世界へつながる窓となって違う社会を見せました。母国につながる窓となって伝統や文化を届けました。困難を打開し、未来を切り拓くための発想を、新しいことばこそが与えてくれます。ことばのいれものは、本。だから本には、人間の衣食住、医療や薬品とも並ぶ力があると思うのです。」
 
※渡辺有理子『図書館への道ービルマ難民キャンプでの1095日ー』スズキ出版(2006年)LinkIconamazon.co.jpへリンク
この話は渡辺有理子さんの著書に詳しく書かれている。渡辺さんはビルマから戻ってからも学校図書館の仕事に携わっているという。
 
*「ミャンマー(ビルマ)難民キャンプ」
1984年以降、タイに設置された。軍事政権と少数民族との抗争が続くミャンマーで財産没収にあい、村を追われてタイに逃れた人々の一時的な滞在場所。2013年には14万人を超える人々が9カ所に住んでいる。
 
*「シャンティ国際ボランティア会(SVA)」
1981年設立。カンボジアや陸前髙田で図書館事業による復興活動を展開。2000年からタイの7カ所のミャンマー(ビルマ)難民キャンプに21館の公共図書館を設置した。図書館運営やカレン語への翻訳も行う。

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ここで、新しくなった東京学芸大学附属図書館を紹介しましょう。図書館はこれまで、50万冊の「世界への窓」とともに「静寂」も守ってきました。しかし新しい図書館は新しいコンセプトに基づいて作られています。館内には動と静の対比が生まれました。1階は人と人がじかに会い、「情報」がダイナミックに交換されるフロアとしてデザインされています。1階のラーニングコモンズでは、大学生や研究者のみなさんによるディスカッションや意見交換、展示を行えます。「図書館では静かに」というこれまでのイメージを一新する、動的な学びの空間が実現しました。

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ラーニングコモンズや図書館カフェなど「動」の1階に対し、地下1階、2階、3階はこれまでどおり「静」の空間。書を紐解き、思索し、探求する人の姿が見られます。常に喧噪のなかにある都市生活で、静寂は思索や制作には必要不可欠な環境でした。附属図書館とは、教育を志す研究者と大学生のみなさんのための空間ですが、教育を志す地域の人も、手続をすれば利用許可が得られます。学びの戸は開かれています。

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2階と3階の窓際にはリフレッシュスペースができました。窓に向かいソファが1脚ずつ一列に並び、正門へ続く広場のウッドデッキと木々の緑を臨みます。3階には長く大学に伝わる茶色の革のソファ。二階には窓際には新しく誂えた無垢の天然木の肘掛けを持つ黒いソファ。それぞれ味わい深い椅子たちです。

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「研究という仕事は、5時間6時間、ときには7時間8時間と図書館にこもり、書に向き合うわけですが、数時間に一度ずつ休むのに、緑はちょうどいいんです。ここに座り、外の風景をぼーっと眺めて頭を空白にして、しばらく休み、そうしてもういちど書に立ち向かってもらえるといいなと思っています。」(藤井健志図書館長)

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地下1階は電動書庫となっています。重量のある書棚がどれもボタンひとつで移動し、書棚と書棚の間に細い通路を作ります。ここに分け入って本を探すのです。映画「2001年宇宙の旅」では、宇宙船を制御するコンピューターHAL9000の中枢部がこの電動書庫そっくりに描かれていました。

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さて、新東京学芸大学附属図書館のもうひとつの名所は、天窓のある美しい階段室かもしれません。北側の奥、階段室は吹抜けになりました。新たに付けられた天窓から抜ける光がはるか底の地下の書庫までやわらかく届きます。壁は白く塗られ、天窓を囲むようにして正方形に作られているので、ほんのりと明るいのです。

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四方を囲むのは50万冊の書の断崖。階段を昇り、正方形の踊り場で直角に折れ、また階段を昇る。知の洞窟でひとりぐるぐると探求している気持ちになります。けれども、足を止めて地を見下ろし天を仰げば、幾度となく周回した空間そのものが、天まで届く巨大な光の角柱のようにも思えてくるのです。

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2015年6月6日の「note cafe」のオープンセレモニーには東京学芸大学の大学生の姿もありました。2011年1月から4年間にわたり、先輩から後輩へと受け継がれてきた移動型カフェがあるのです。大学構内を移動しながら、メディアとコミュニケーションの実践と研究を続けました。関わった大学生は教員や大学院生となって次々と巣立っていきました。大学と地域が交差し対話の場となる「note cafe」の理念の原点を、大学生の研究活動に思いおこす人々もいるかもしれません。

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東京学芸大学附属図書館や「note cafe」へは、さまざまな人々が訪れ、対話し、探求します。さかさまからみれば「note cafe」にとっては「人」こそが、語り合って互いに進化する未知の情報媒体。まさに「生きたノート」なのではないでしょうか。
 
■東京学芸大学附属図書館カフェ「note cafe」
http://notecafe.net/

[取材]小杉圭子

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