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私は八歳。市民ライター。小金井の育児シーンをお伝えするフリーのライターだ。あえていうがフリーターではない。フリーとフリーターは大違いである。子どもの私は心身ともに常時フリー、脳内はフリーダム。だが伝えるべきことは自分で発想し、この目この耳でつかみ取る。それこそがフリー、自由市民なのだ。
 
ところでこの業界じゃちょっと名の知れた電通という企業がある。広告制作現場の発想のヒミツを、情熱溢れる教育家とともに、教育プログラムにしたそうだ。名前は「広告小学校」。へえー。電通マンのヒミツの技を、いわば競合の私にも伝授してくれるのか。ライタースキルアップ目指して参加しよう。
 
会場は、二回目を迎えた子育てイベント「子どもメッセこがねい」の1ブース。地域の安心できる人たちが見守ってくれるなか、リラックスして参加できる。地域団体、企業、教育家が生み出した学びの環境だ。

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ところでこれはなんだろう。ずっしりと重い。

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スーツケースのようなかたちだ。液晶テレビ?

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ひろげると、ダンボールの柱が2本、基礎が1本。

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ダンボールの梁が1本。

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大きなテレビのできあがり。だが液晶は1ドットもないしコンセントもないぞ? 今日は「広告小学校」の発想の手法で小金井のキャッチコピーを作る。できあがったコピーを掲げてこのテレビのなかに入り込み、観ている人の心を動かそうというのだ。電気はいりません。

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今日のお題は「小金井のキャッチフレーズを考える」。
 
本来の「広告小学校」のプログラムはユニット1から3まである。通常は1ユニットに4〜6時間をかけてCM劇に仕立てるという。そう、さきほどのテレビの枠が劇場となるという寸法だ。
 
ユニット1-3のうちもっとも多く実施されているのがユニット2「自分探検CM」。自己肯定感を高める授業だ。あるとき、教えた経験の少ない大学院生が、CM劇を入れずに授業でやった。このときの調査結果では、参加者の自己肯定感は上がったという。すぐれた教育プログラムがあれば、ベテラン指導者や参加者のスキルに頼りすぎずに、教育活動ができるというわけだ。
 
今日はこのユニット2の一部を使い、4日間のプログラムを90分にダイジェスト。寸劇は入れず、ことばを扱っていく。「自分探検」を「街探検」、「自己肯定感」を「自分の街肯定感」にひろげれば、街のよさを探るうちにぐんと元気が出てくるんじゃないか。

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さあ21人もの子どもが集まった。

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「ぼくは、くまじいっていうんだ」
 
この方が大熊雅士さん。広告小学校の教育プログラム開発に長らく携わった。小学校教諭、東京都教育委員会指導主事、東京学芸大学特任教授と、教育畑を走り続けいまも教育への情熱は尽きることがない。守矢俊一さんとともに小金井市内で私塾「ブレイブ」を開校し、広告小学校のプログラムも実施する。学校教育の枠を超え、企業、地域と連携した機動力のある学びを展開できるのは私塾ならではの取り組みだ。
 
ブレイブの事業運営元「元気プログラム作成委員会」が小金井市に事務所を置くご縁もあり、くまじいは小金井の街にも子どもたちにもけっこう詳しいのだ。

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くまじいは、小金井のよさをキャッチフレーズで表そうという。キャッチフレーズとは、聞いた人が「へえ!」とか「おお!」と思うことばのこと。主に広告で使われる。聞いた人の心が動き、忘れられなくなったり、食べてみようとか行ってみようという行動につながるとすれば、それはすぐれたキャッチフレーズを発想したということだ。ではクイズ。これはなんのキャッチフレーズでしょう?
 
たとえばこれ。
『早い、うまい、安い』
これは吉野家の1970年代以降のキャッチフレーズ。カウンターに座るとすぐに出てくる牛丼は、外食産業で一世を風靡した。順番はいろいろ入れ替わって、2000年代では『うまい、安い、早い』。
 
『わんぱくでもいい、たくましくそだってほしい』
これは1970年代の丸大食品のキャッチフレーズ。40年間人の心に残る名フレーズだが2000年代生まれの子どもたちは知らない。とっさに
「小金井公園のキャッチフレーズ?」
とコールが入る。うまいぞ子どもたち、その調子!
 
小金井に住み続けよう、住んでみようと、心の動くようなキャッチフレーズを生み出すぞ! ……でもどうやって?

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くまじいは「よく考えなさい」と繰り返すのではなく、広告のプロに聞いてきた「発想の手法」を教えてくれるという。
 
発想には切り口がだいじ、取材がだいじ。
「この部屋を飛び出せ、地域の人にインタビュー取材にいけよ」とくまじいはいう。だが取材とはなまはんかな覚悟じゃできない。そもそも初めて会った知らない人が、大切な時間を割いてタダでいいことを教えてくれる理由がないじゃないか。だがそこをなんとかするのが取材者である。
 
くまじいがプロのいいまわしを教えてくれた。これがまた歌舞伎の口上みたいにかっこよくて長い。この子どもはぜんぶメモをした。

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最初に部屋を飛び出した子どもはふたりだけだった。小学二年生とその弟分。出て行ったものの、ふたりはだれにも話しかけられない。「子どもメッセこがねい」の会場となっている公民館をぐるぐるぐるぐる。
 
「どうしようかな。どうしよう」
「だれにきけばいいんだろ」
 
四周め。ふたりはようやく知り合いの女性を見つけて、意を決して話しかけた。「小金井のよさはなんですか」。尋ねる子ども以上に、尋ねられた大人がうれしそうに見える。それはそうだ。この街に決めて住んだのはあなたがた大人だからだ。子どもは住む街を決められないのである。
 
小学二年生は、メモなしで、くまじいに聞いた口上はぜんぶ言ってのけた。取材とはかくも勇気と技量がいる。

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だれかがいちどやったことは、みんなできる。このあと、少しずつ外に出て行く子どもが増えていく。さいごにはほとんどの子どもが取材をしに出て行った。

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この子どもは続けて2人以上の人に取材をした。

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記者クラブ。子どもたちが集まって情報交換や取材メモの整理をしている。

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取材から戻って来た子どもは小さく「よし!」とつぶやいた。これから取材したこと、自分で考えたことをふせんに100本書き出す。この「100本ノック」がプロの技だ。

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「広告小学校」の教室はにわかに熱気を帯びてきた。

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100本を分類する。
「さくらがきれい」
「ゴミを出すのが大へん」
「はたけでとれたやさいはうまい」

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「小金井の人は人だすけがいっぱいいる」
「しみんはげんき。子どもががんばりやさんが多い」
「小金井は虫がいっぱいいる」
「むかしのしゅうかんがのこっている。おまつりがのこってる」

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大人の参加者も挑戦した。

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取材のあとの分類は根気のいる作業。くまじいはプロの技を伝授するだけでなく、ひとりひとりの参加者に寄り添い、とってもたくさんほめてくれる。
 
「もじもじしている人にはとくにほめている。このキャッチフレーズは企業の人に伝えておくよ、市長さんどうですか、とかね」
子どもは、くまじいの教育哲学のヒミツまで探検!

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ここで出会った参加者も寄り添ってくれる。この小学生は17歳の参加者と二人組になった。このあとふたりはずっと相談しながら、キャッチフレーズをまとめていくことになる。

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実体験にもとづいた美しいことばが次々と溢れ出す。
「やさしい人がいる」
「野川にたくさんあめんぼがいる」
「ゆったりしてる」

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さて、分類した100本ノックから、1つのグループだけ選び出して白い紙に置く。いったん広げたものをひとつ選び取るには勇気がいるが、これが「拡散」に対して「集束」と呼ばれる技だ。
 
それだけではない。
白い紙に起き直したことばの余白に、関連することばを100本書いていく。「集束」の後にまた「拡散」。このプロセスで、最強のアイディアに高めていくのだと、くまじいはいう。

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ついに選び取った、最強のキャッチフレーズ。「緑がうまい」。これを画用紙に書く。

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最強のキャッチフレーズ「せみがいる、かわせみがいる、ぼくがいる。」

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ガチンコ専門店で特注した広告小学校オリジナルガチンコ。いい音がする。発表がはじまるときとおわるときは、いい音でけじめをつける。いまからはじまるぞ、おわるぞとみんながわかるからだ。

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テレビのなかに入るとどんな気持ちなんだろう。子どものひとりは「顔が赤くなる感じ」と話した。真剣なまなざしで立つ。自分の作った最強のキャッチフレーズを、両手でしっかりと掲げる。

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発表のあとの、やりとげた、ほっとした笑顔!

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異彩を放った発想もついにまとまった。
「市民が自立、住み良い小金井」。

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思わずうなり、メモをとる小金井市長の姿も。

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いくつかキャッチフレーズを紹介しよう。これらは子どもが書いたけれど、大人がインタビューで語ったことでもある。

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企業の社会貢献活動「広告小学校」。全国の小学校から大学まで186校、約2万2千人が体験している。今回は学校のそとで展開した一例となった。子どもが発想を求めて地域イベント中の公民館を探検し、地域の人と話す。企業発の教育プログラムが地域をつなぎ、市民が自分で発想するシーンを創り出した。ダンボールのテレビのなかで、両手を高く上げて街のキャッチフレーズを掲げ、誇らしく笑う子どもたち。観ている人も同じ気持ちだったに違いない。
 
「発想すると、人は顔つきがかわるんですよ」
 
守矢先生は話す。発想が自己変革をもたらすのだとすれば、ひとりの子どもがひとつの発想を生み出すまでに、周囲の大人からいくつの発想が生まれただろう。100本。そして200本。子どもたちの使った付箋の数だけ、人や街や社会が自由に、元気に、変わっていく。
 
「広告小学校」は2006年の誕生から11年目を迎えたという。地域社会での、多世代市民に向けた展開にも期待したい。

■CMづくりを通じた社会貢献活動「広告小学校」
http://www.dentsu.co.jp/komainu/about/
電通と東京学芸大学が作った授業プログラム。教材と指導方法をパッケージされ、希望する学校に無償提供されている。2008年キッズデザイン賞、2011年グッドデザイン賞、2014年メセナアワード受賞。
 
■NPO法人元気プログラム作成委員会と学舎ブレイブ
http://www.genpuro.com/
学校の枠組みを越え、子ども、若者とその保護者のために活動を展開。カウンセリング/心理療法、保護者教室、教職員研修会、放課後支援、就学/就職支援、広告小学校のプログラム開発と実施。
 
■「子どもメッセこがねい」
/archive/topix/2015/06.html
地域の子育て・子育ち支援活動の連携と情報の発信、当事者たちの学びの場。主催は小金井子育て・子育ち支援ネットワーク協議会。

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